2013年1月24日 (木)

子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!―脳を鍛える10の方法/林成之

タイトルが出版社の意向なのか、
インパクト重視の付け方で胡散臭さを感じてしまい損をしている気がします。
タイトルだけを見ると早期教育を煽るような
何か特別な育児が必要なのかと身構えてしまう印象を受けますが、
そういった趣旨の本ではありません。
むしろそういった育児に懐疑的な立場をとっています。

本書の切り口は子どもの脳の発達に応じた育児を行いましょう、
脳の持つ特性を理解し考慮した育児を行いましょうというもので、
人間力のある大人へと育てるヒントを脳科学の視点から解説します。

育児に関する世間知はいろいろな本に書かれており、
本書の主張も目新しいものではないと思われます。
なので、必ずしも脳科学の見地を育児に取り入れる必然は感じられませんが、
人間の存在のとって切っても切れない脳の研究による見地から
育児のアドバイスとして本書はとても参考になると感じました。

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2012年10月 9日 (火)

SQL ゼロからはじめるデータベース操作/ミック

SQLの解説書です。
本のタイトルが示すとおりに想定した読者層の視点の難易度にブレがありません。
私のようなDBといったら応用情報の勉強くらいでしか触れたことのないSQL初心者でも、
SQL文の基本的な使い方だけでなく、
初心者がつまづきやすい箇所が丁寧にフォローされいて安心して読み進めることができました。

初心者本でありながら初心者本にありがちな、
分かりやすさのみを重視し内容の深さまでは至らない、
読者をわかった気にさせるだけの内容となっていません。
表層的な解説に留めず、読者を一段高いところへ導こうとする工夫が随所に見られ、
初心者としての足固めから中級者への第一歩への足がかりを作ってくれる最適な本だとおもいます。

SQLは方言が多様らしいです。
本書が考慮しているのはOracle、SQL Server、DB2、PostgreSQL、MySQLで、
各種方言の違いをフォローしているのも読んでいて安心できるポイントだと思います。
付属のCDにはPostgreSQLが収録されています。

正誤表です。

正誤表
<http://www.shoeisha.co.jp/book/errata/12178/list?pn=all>

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2012年8月29日 (水)

幼児期―子どもは世界をどうつかむか/岡本夏木

うちの子どもがもう少し大きくなったらまた読み返したい本。
本書が主に論考する幼児期とは、2歳前後から6歳前後を指します。
おそらく、うちの子どもが幼児期に相当する時期になれば、
改めて自分の子どもへの接し方を考えさせられるようになる気がします。

本書は「しつけ」、「遊び」、「表現」、「ことば」の4つのキーワードを手がかりに
発達段階にそれぞれに適した養うべき力はなんなのかを論考します。
そして、それらの力を十分に養っていくことが、
幼児期を過ぎてからの人間としての生きていく力の成長に結びつくということを、
全体を通して説かれています。

学者肌の文体で、やや抽象的な日常では馴染みのない言葉や言い回しが多分に見受けられ、
読みやすい文章ではないですが、保育に対する重要な示唆を多く含んだ本だと思いました。

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2012年8月22日 (水)

子どものアレルギーのすべてがわかる本/海老澤 元宏(監修)

子どもが乳製品でアレルギーを示したため、びっくりして購入。

本書は見出しと本文の組み合わせた構成と、豊富な図による解説が徹底され、
分かりやすさを重視した作りとなっています。
アレルギーのメカニズムから、事前対策方法、
発症してからの対応方法といった実用的な知識をカバーし、
アレルギーについて幅広く俯瞰できます。

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2012年5月29日 (火)

赤ちゃんと脳科学/小西 行郎

「赤ちゃんと脳科学」も「赤ちゃんの不思議」と同じく
難解な専門用語が抑えられた平易な言葉で書かれていて難なく読める本です。

こちらは本のタイトル通り脳科学に重点を置いた研究内容の紹介となっています。
最新の脳科学や発達学の見地から赤ちゃんは生まれる前から、
刺激に対して応答し学習するだけの受動的な存在ではなく、
能動的に周囲の環境に働きかける、優れた認知能力を持っている存在であることが明かされます。

早期からの自然な発達を無視した過剰な刺激(教育)を一方的に与えることは脳にとって不自然な負荷を与えることになり、
その結果脳の発育に障害をもたらす可能性を示唆しています。

赤ちゃんは親や周囲の人たちと相互的なコミュニケーションを取ることで
正常な脳の発育を促すことができるといいます。
このへんの解説はやや科学的な結論というより著者の知見によるものが大きいですが、
脳科学や発達学の研究成果を論拠に、似非的な育児論に惑わされない、
幸福な育児を行うための姿勢が語られています。

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2012年5月26日 (土)

赤ちゃんの不思議/開 一夫

「赤ちゃんの不思議」は近年の赤ちゃんの研究とその成果を紹介した本です。
本書で紹介されている研究は大まかにいって、
注視時間法などの従来の手法による研究と、
近頃のトレンドになっている脳科学からのアプローチによる研究となっています。

「赤ちゃん学」が盛んになってまだ日が浅く、その手法は十分に確立されていない、
このことを正直に述べた上で、著者の偏った持論に陥ることなく中庸的な立場で様々な研究が紹介されています。
赤ちゃんの研究が進むにあたり、
ピアジェ以降作られた赤ちゃんのイメージである外部からの刺激に反応するばかりの無力な赤ちゃん像から、
赤ちゃん自ら能動的に外部の環境に働きかる存在であるとイメージ像が転換していることがわかります。

個人的には赤ちゃんは生まれて間もない時期でも利他的行動を好む傾向があるという研究が印象的でした。

「赤ちゃん学」は未だに未成熟で(科学が一般的にそうであるように)現在見いだされた成果は、
今後の研究により覆られる可能性についても言及されています。
赤ちゃんの発達については解明されていないことが多くあるのにもかかわらず、
一部の研究の成果がマスメディアなどにより拡大解釈され、歪曲された形で流布されることがあり、
これらの情報を鵜呑みにする危険性について警告しています。
たとえば、早期教育の必要性を説くために臨界期(ある認知機能を獲得できる期間)という言葉がありますが、
臨界期はそもそも刺激を遮断した場合に失われる機能に対して見いだされた成果であり、
早期から過剰な刺激を与えた場合に、人間の発達としてどのような影響を与えるのかということは
まだ十分な研究がされていないと作者は伝えています。
学者として研究の成果を一般の人に誤解なく伝えたいという真摯な姿勢が好感が持てます。

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